待ち時間表示の罠

診療予約システムをお探しですか?
それでは、早速はじめましょう!

今回は、診療予約システムにおける待ち時間表示の注意点について書いてみたいと思います。

診療予約システムには、患者さまが待ち時間を知ることができる機能があります。もし、診療予約システムの導入目的の1つが「待ち時間の見える化」である場合は、この機能についてよく吟味する必要があるでしょう。よく調べてみると診療予約システムの中には、「待ち順」は表示できても「待ち時間」は表示できないものもあり、また「全体の待ち時間」はわかっても「自分の待ち時間」は各自それぞれが計算しないと直接わからないものもあるのです。

患者さんが本当に知りたいこと」でも書いたように、患者さんは「待ち時間」が知りたいのであって「順番」が知りたいわけではありません。また、「全体」で60分待ちだとわかっても「自分」が何分待ちかわからなければ、自分で計算しなくてはなりません。何も知らされないよりは ましかもしれませんが、これでは患者さんの本当のニーズを満たすことはできないのです。もし患者さんの待ち時間の負担を和らげる施策として、診療予約システムの導入を考えるのであれば患者さん個々人が、好きな時に、自分の待ち時間がわかるシステムを選んでいただきたいと思います。

しかし今回は、この前提に立ってなお、診療予約システムを選ぶ際に気を付けるべき点についてご説明したいと思います。それは、その「待ち時間」は何を基準に計算しているのかという問題です。待ち時間は、並んでいる人の診療時間の総和であらわされますが、では並んでいる人の診療時間はシステムではどのように計算されるのでしょうか?

診療時間の計算方法には2つのパターンがあり、1つは「1名あたり〇分」と診察時間を決めてしまうもの、もう1つは「この診療メニューは〇分」と診療内容毎に個別に決められるものです。例として、「診察」より時間のかかる「新患」はどのように計算されるかを表したのが下の図になります。

診療予約システムの待ち時間計算方法の違い
▲新患のほうが時間が多くかかる場合の違い

お気づきのように、前者の仕組みだとざっくりとした待ち時間の計算しかできず、診療内容によって時間に大きな違いがある場合はまともな計算ができません。5分かかる診療メニューと10分かかる診療メニューが元々混在する場合は、この方法で待ち時間を計算するのは無理があります。

もちろん、診察が長引いたりすることによる誤差はいずれのパターンでも発生します。しかし元々かかる時間が違う診療内容を、同じ時間として計算するのとはわけが違います。このように、診療予約システムで待ち時間を見える化し患者さんに喜んで使っていただくには、待ち時間を計算する仕組みにも注意しなくてはなりません。一見同じに見える機能をもったシステムでも、それがしっかりユーザー目線で考えてあるかどうかで、価値が全く違ったものになってしまうのです。

それではまた、次回のエントリーで。
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>> 診療予約システム「診療予約2013」はしっかり待ち時間を計算しています。 

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