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それでは、早速はじめましょう。
今回も、診療予約システムを離れて、Webマーケティングに関するエントリーを書いてみたいと思います。
前回、「クリニックのWeb制作後にやっておくべきこと」の最後にソーシャルメディアについて触れました。今回はクリニックがソーシャルメディアを活用するなら、何をするのがいいかについて私の考えを書いてみたいと思います。
病院・クリニックで利用できそうなソーシャルメディアと言って思いつくのは「Twitter」「Facebook」あたりでしょうか。「mixi」「Google+」などもありますが、利用者数やその性質からあまりクリニックには適していないように思います。これらはソーシャルメディアの中でも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるもので、オンライン上の人々と素早く簡単に情報を共有できる仕組みになります。もう1つ病院・クリニックで活用できそうなソーシャルメディアとして「ブログ」が挙げられます。SNSのような拡散力はありませんが、これも情報を手軽に共有するためのツールとして広く活用されています。
私は、仕事でもプライベートでも「Facebook」「Twitter」「ブログ」を利用しています。専門家ではありませんが、半分は仕事のために使っているため、少しですがビジネスユースの知識も持っています。では、病院・クリニックが利用するとしたら何がよいのでしょうか?私は1つだけトライするなら「Facebook」だと考えています。
■ Facebookページとは
Facebookには、個人が使うものとは別に、企業などの事業主体が別途利用できる「Facebookページ」というものが用意されています。クリニックが運営するFacebookページをつくることで、クリニックの名前で情報を発信することができるようになるのです。このFacebookページの「いいね!」ボタンを患者さんが押すと、以後Facebookページの投稿が患者さんのタイムラインに表示されるようになります。Twitterのフォローと同じことになるので、便宜上Facebookページを「フォローする」、患者さんを「フォロワー」という言葉で説明します。
以下に、TwitterやブログよりFacebookをお勧めする理由をあげてみます。
■ FacebookページがTwitterよりクリニックに適している理由
1. タイムラインがゆっくり流れる
Twitterは、不特定多数のたくさんのユーザーをフォローしていることが多く、それらのユーザー毎の投稿数も比較的多いです。そのため、投稿が表示されるタイムラインの速度が速く、次々に新しい情報が飛び込んできてしまいます。一方、Facebookは特定の友人・知人しかフォローしないうえに、個人の投稿数もTwitterほど多くありません。そのためFacebookのタイムラインはTwitterよりもゆっくり流れますので、投稿された内容を見る可能性が高いはずです。Twiitterでタイムラインに埋もれないようにするには「すでに有名」か「投稿が相当価値がある」か「かなりのおしゃべりである」必要があります。
2. 表現力が高い
Twitterは140文字という、表現上の制限があります。この制限があるからこそ、Twitterは新しいメディアになり得たと思いますが、投稿し情報を届けるほうの立場からすると表現力の高いメディアのほうがいいです。Facebookページを使うなら、この表現力を使わない手はありません。特に写真を使うのは、基本的なテクニックの1つになります。
3. いいね!とリツイートの心理的障壁の違い
Facebookには「いいね!」と「シェア」という2つの情報拡散ツールが用意されています。一方、Twitterにはリツイート(RT)という情報拡散ツールしか用意されていません。「シェア」と「リツイート」がほぼ同じ働きをするもので、自分が気に入った情報を自分のフォロワーに共有する機能になります。そのため「これは他の人にとって有益だ」とユーザーが感じない限りは使われない機能ということになります。一方で、Facebookの「いいね!」は強制的な情報共有を前提としないため、それより気軽に利用できるものですが、リアルタイムフィードに表示されたり、タイムラインに『〇〇さんが~について「いいね!」と言っています。」と表示されるため、拡散能力をもった機能となっています。
■ Facebookページがブログより適している理由
1. プッシュ型なので情報を届けやすい(メルマガに近い)
Facebookページのフォロワーには、投稿が必ず表示されます。一方、ブログを更新しても、そのことを患者さんにプッシュ型でお知らせすることはできません(患者さんがRSSリーダーなどを利用すればできますが、リテラシーが必要なうえ手間もかかります)。Facebookの投稿は、フォロワーに必ず見てもらえるわけではないですが、ブログを書いてただ待っているよりよほど効果があります。
2. 更新のプレシャーが少ない
ブログはストック型のコンテンツのため、前回の更新が1ヶ月前などということが表示されてしまいます。間隔が空いてしまうと書き手には「義務感」や「罪悪感」が出てきてしまいますし、読み手には「全然更新してないな」というふうに思われてしまいます。一方Facebookはフロー型のコンテンツなので、更新の間隔があいても書き手も読み手も特別な感情を抱きません。分量も少なくてよいので、季節のあいさつや毎月の休診日の案内、情報提供などを気楽にやればいいのです。ソーシャルの活用は、継続できるかどうかが大きなハードルになりますので、無理せずできるもののほうがおすすめできます。
3. 拡散されやすい
Facebookのタイムラインで「いいね!」ボタンを押すのと、ブログに設置してある「いいね!」ボタンを押すのは拡散効果は同じです。では、どちらが押してくれる可能性が高いでしょうか?これは私の少ない経験談になってしまいますが、圧倒的にFacebookのタイムライン上での「いいね!」ボタンです。不特定多数が見るブログと、知人・友人に届くFacebookでは比較するのがおかしいかもしれませんが、Facebookのほうが多いです。もちろん非常に価値の高い情報をブログに掲載すれば、見ず知らずの人から「いいね!」を獲得できるかもしれませんが、そういったコンテンツ作成に時間を割けなければ絵に描いた餅です。
以上、もしクリニックが、1つだけソーシャルマーケティングに取り組むなら何がいいかという観点から、Facebookページをお勧めしてみました。「ブログのほうが書きやすい」など好みの問題もあるので一概には言えませんが、現時点では最もクリニックのソーシャル施策に適したツールだと思います。
それではまた、次回のエントリーで。
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