患者さんの年代別ネット利用率

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それでは早速はじめましょう!

以前、診療予約システムと予約方法についてのエントリーで、3種類の方法(下のA~C)のメリット・デメリットをあげて比較しましたが、どの組み合わせで利用するのがよいのかについては病院・クリニックの状況によりケースバイケースだと書きました。

A. 電話予約(スタッフが受付け)
B. 電話予約(システム自動応答)
C. ネット予約

今回は、その際にキーワードとしてふれた、「患者さんのネット利用率」についてまとめたいと思います。「患者さんのネット利用率」とは、文字通り患者さんの何%がインターネットを利用しているかということです。

診療科目や病院・クリニックの立地によって患者さんの層は違うと思いますが、まずは下記「インターネット利用の年齢階層別状況」のデータをご覧ください。総務省が2012年5月に発表した最新の調査結果からの抜粋になります。
(URL: http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/120530_1.pdf

年代別ネット利用率2011年データ

49歳まではどの年代も95%前後で高い利用率となっていますが、50歳以上になると、ネット利用率が下がっていきます。また調査の詳細をみると、この10年で各年齢ごとの利用率も上昇してきましたし、今後もそれぞれの世代が歳をとってグラフの右側に移動していきますので5年後、10年後には高齢者にも圧倒的にネットユーザーが多くなることも読み取れます。

このデータをもとに患者さんの予約方法について考えるために、3つのケースに分けて見てみたい思います。ここではわかりやすさを重視し、極端なケース設定もしていますのでご了承ください。

■ ケース1  「患者は60歳以下がほとんどの病院・クリニック」 
(例: 小児科、産婦人科、オフィス街の病院・クリニックなど)

結論から言うと、電話自動応答よりもネット予約を入れることをおすすめします。

というのはこの年代層は、ネットの方が便利だと思っている人のほうが圧倒的に多いからです。忙しい世代なので、移動中や夜間に予約できるネット予約は大変喜ばれます。

■ ケース2 「患者の半分が、60~70歳の病院、クリニック」
(例: 高齢者が多いエリアの病院・クリニック)

60~70歳の患者の65%がネット利用者だとした場合、患者全体に占めるネット利用者の割合は、80%程度となります。(半分が95%利用、残りの半分が65%利用で計算)

電話自動応答を導入すると確かにほぼ全員が使えるでしょう。ただ、音声自動応答システムを入れる場合、通常の電話に「予約の電話」が入ってこないように、通常の電話を使えなくしたり番号を大きく公表しなくする必要があります。これは、通常の電話があると、患者さんはそちらの方が便利と思い予約電話を掛けてしまうので、その対策が必要になるからです。このデメリットと、全員が使えることのメリットを考えたうえで、ネット予約と比較する必要があります。

ではネット予約を見てみましょう。ネット予約は患者さんの80%の方が利用できると考えられます。全員が使える電話と比べると20%違いますが、皆さんはどのようにお感じになりますか?私は、これだけネット利用できるのだから十分で、電話自動応答を導入するデメリットのほうが大きいのではと思います。また、このネット利用率は今後95%までどんどん上がると予想されます。

また、ネット予約を利用できない人のために電話自動応答も利用したいという場合もあると思います。これで予約方法の選択肢が増えるので、コストさえ問題なければ良い考えのように思います。一方で、下記のように考えるとどうでしょうか。

「5人に4人がネット利用してくれれば、残りの人は通常の電話予約(スタッフ受け)でいいのではないか?」

本来の目的は、受付スタッフの電話対応の負荷を減らしたり、患者さんにより便利に予約してもらえる選択肢を増やすことです。であれば、ネット予約でかなりの数の方が予約してくれているなら、すでに十分に目的を果たしていると言えるのではないでしょうか?

そう考えると、5人に1人のために電話自動応答システムを使うことは、「ちょっと相談したいのにできない」「どこに電話を架けて掛けていいかわからない」→「不便なクリニックだと思われる」というデメリットのほうが大きいと思います。

■ ケース3 「患者がすべて60歳以上の病院・クリニック」

この場合でも、患者のネット利用率は50~60%です。特筆すべきは70歳代のネット利用者の伸びです。この2年で32.9%が42.6%になっています。65~69歳が60%使っていますので、そこまで毎年上がっていくことが読み取れます。

今までは、このような病院・クリニックでは間違いなく診療予約システムを検討しなかったと思います。しかし、この利用率であれば使ってもいいかなと思わせるレベルになってきました。

以上、書いていても意外でしたが、年齢を問わずかなりの方が、ネット利用者の時代になったのだなあと思います。仕事でPC・携帯を使っていなかった私の親(60代)も、今では携帯とiPadを使っていますので、確かにみんな使えるよね・・・という気もします。

それではまた次回のエントリーで。
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過去記事: 過去の記事一覧はこちらから

関連記事: 電話予約、電話自動応答、ネット予約のどれを選ぶ?

参考サイト(外部リンク)
ご高齢の方が多いクリニックではシステム導入の意味は無い?? その1
ご高齢の方が多いクリニックではシステム導入の意味は無い?? その2

キーワード:
診療予約システム、年齢、年代、高齢者、携帯、普及率、電話、患者層、音声案内