時間帯予約制をとると起こる面白い現象 その2 

診療予約システムをお探しですか?
それでは、早速はじめましょう!

以前、「時間帯予約制をとると起こるおもしろい現象」という記事で、書き残したことがあったので今日はそれをまとめたいと思います。

前回は、時間帯予約制をとってしばらくすると、患者さんの来院タイミングが勝手に分散してくる現象について書きました。

この状態を客観的にみると、興味深い点が2つあります。

1つ目は、この状態になると全体の院内待ち時間が最短になるということです。

「待ち時間の原因は患者さんの数より偏りにあり」でも紹介したとおり、患者さんがあるタイミングに偏って来院してしまうと、のべ待ち時間がすごく長くなってしまいます。予約制をとるということは、予約時間になったら患者さんが来院するということですので、普通は各時間帯の開始時刻に来院が集中するはずです。

よって、院内待ち時間は比較的長くなるはずなのですが、前回説明したのはまさにこのケースにおいて、患者毎に来院タイミングが「早い派」「普通派」「遅い派」に分かれる現象についてでした。よって院内待ち時間は長くなるどころか、分散することによって最短になるのです。

私の仮説が正しければ、患者さんは試行錯誤の中で、「早く行くのがいい(待ち時間が短くなるから)」「普通に行けばいい(待ち時間が短くなるから)」「あえて遅く行くのがいい(待ち時間が短くなるから)」とそれぞれ行動を変化させ、結果的に待ち時間の最適化、最小化につながるということです。

2つ目は、この状態を客観的に見ると、予約制なのに受付順番制の運用をしているように見えるということです。繰り返しになりますが、予約制をとるということは各時間帯の開始時刻に来院が集中するはずです。しかし、この状態になると、患者さんはまるで計ったかのように少しずつずれて来院されます。そしてこれは、受付順番制でネット予約を使って院内待ち時間を短くする手法とまったく同じことが起こっているのです。

受付順番制でネット予約を導入するメリットは、待ち時間を見える化し、患者さんが自分の意思で来院タイミングを調整し、院内待ち時間を短縮できるようにすることです。例えば、自宅から10分のクリニックにネット順番待ちし、15分前に「もうすぐ診察お知らせメール」が届くようにしておくことによって、診察5分前にクリニックに到着するのです。この仕組みを患者さんが使い出すと、来院タイミングが分散されるようになります。患者さんはみな5~10分前にクリニックに来ようとするので、それぞれの来院間隔もだいたい同じになってきます。このようして院内待ち時間を短縮しようとするのが、順番待ち制における診療予約システムの役割です。

時間帯予約制をとって来院タイミングが平準化した状態は、これとまったく同じメカニズムです。順番待ちと予約制という相容れない運用方法をとっているにもかかわらず、同じ仕組みで待ち時間が短縮されるのは本当に面白いと思います。

このように予約制をとっていても受付順番制をとっていても、待ち時間の短縮は可能です。ぜひ、診療予約システムを活用して、院内待ち時間対策を行ってみてください。

それではまた、次回のエントリーで。
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