予約優先制からの運用変更が難しい理由

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それでは、早速はじめましょう!

今回は、クリニックの受付け運用方法の1つである「予約優先制」がうまくいかなくなってきた場合の話を書いてみたいと思います。

「予約優先制のクリニックで待ち時間が長くなるメカニズム」でも紹介したとおり、予約優先制というのは混んでない場合はうまくいくのですが、ある一定の患者数を超えてくると機能不全に陥ってしまいます。そうなると、予約なしの患者さんの待ち時間が異常に長くなったり、目安時間を伝えられなくなったりという問題が発生し、時にはクレームになってしまうこともあります。

この問題が起こる原因は、予約優先制の運用では患者さんの順番が定まらないことなのですが、この点は次のスライドに詳述してありますので、ご興味があればご覧ください。

■ 予約優先制の問題の本質はこちらのスライドでチェック!

さて、このように問題が発生するようになってしまった場合に、予約システムの導入を検討されることがありますが、予約優先制のままでシステムを導入しても根本的な問題の解決にはなりません。なぜなら問題の本質は、予約優先制という運用そのものに内在しているからです。

当社では、このような問題を抱えている先生には、「時間帯予約制」への運用変更をお勧めしています。しかし、時間帯予約制への移行にはいくつかのハードルがあります。以下に詳しく見てみましょう。

1. 予約優先という善意との決別

ちょっと仰々しい表現ですが、時間帯予約制の運用を行ううえで「予約優先」という概念を一切とっぱらう必要があります。これが難しいのは、そもそも予約優先という考え方自体が先生や受付スタッフの善意から来ているからです。「時間を決めて予約しているのだから、時間を守らなければならない。」「予約しているのだから、予約なしの患者さんより優先すべきだ」という気持ちはごもっともで、私も共感します。

一方で、予約優先制で問題が起こるのは、予約を優先するために「患者さんの順番が定まらない」からなのです。よって、完全に時間帯予約制に移行するためには、「予約優先」という運用を止める必要があるのですが、もともと善意で行っているものなので、なかなか止めることが難しいのです。

これが、時間帯予約制に運用変更する際に越えるべきハードルの1つになります。

2. 予約比率を増やすことへの抵抗感

予約優先制を運用しているクリニックの予約比率は、総じてあまり高くありません。イメージとしては各時間に予約が少しずつ入っていて、その間にたくさんの予約なし患者さんを診療するとうかたちになっていることが多いです。というのは、予約を優先しようとすると必然的に予約数を制限せざるを得ないからです。

一方で時間帯予約に移行しそのメリットをすべて活かすには、予約比率を上げる必要があります。というのは、時間帯予約のメリットの1つは、患者さんの来院タイミングを平準化することだからです。予約優先制のように、予約比率が低く当日の飛び込み来院が多いと、来院タイミングが偏った際に待ち時間が異常に長くなってしまいます。予約比率が上げられれば、患者さんは予約時間に分散して来院する可能性が高まりますので、この問題を緩和してくれます。

ところが予約比率を上げるということは、受付スタッフの予約業務が増えることを意味します。次回予約にしろ電話予約にしろ、予約比率を増やすことは業務負荷がかかります。よって、いくら患者さんのために予約運用を変えようとしても、重い腰が上がらないということになってしまいます。

以上のように予約優先制を止め、時間帯予約制に移行するには2つのハードルがあるのですが、これを解決するために診療予約システムができることがあります。これについては前回のエントリーにまとめましたので、是非読んでみてください。

それではまた、次回のエントリーで。
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