受付順番制と予約制のどちらがいいかはネット予約利用率で決める

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それでは、早速はじめましょう!

今回は、クリニックの受付方法の選択方法についてまとめてみたいと思います。

以前も書いたとおり、クリニックの受付運用を受付順番制にするか予約制にするかというのは、とても難しい問題です。クリニックにとって、どちらが最適な受付方法かというのはとても判断しにくいものです。というのは、この選択によって患者さんの待ち時間や利便性だけでなく、受付スタッフの業務負荷や待合室・駐車場といったクリニックのリソースまでが影響を受けるからです。

このように、最適な受付方法はそれぞれのクリニックの状況により異なるため、受付順番制と予約のどちらが優れているとは一概に言えません。しかし、こと「待ち時間の短縮」というテーマに関しては1つだけ言えることがあります。それは、受付方法を決定する際には「患者さんのネット予約率が高いかどうか」が重要なポイントになるということです。

「クリニックのボトルネックはどこにある?」でも書いたとおり、待ち時間の問題を根本的に解決するためには来院タイミングを分散させるしかありません。従って、診療予約システムを導入することによって、待ち時間を解消しようとするならば、次のAかBのいずれかの方法を採ることになります。

A. 受付順番制を採用し、できるだけたくさんの患者さんにネット予約を利用してもらう。これによって、来院タイミングが分散される。

B. 予約制はそれ自体が来院タイミングの分散になるので、待ち時間解消の観点からすると予約システムは補助的な役割に過ぎない(無くても良い)。ただしシステムを導入すれば、患者側には24時間予約というメリットがあり、クリニック側にはスタッフ負荷の軽減というメリットが生まれる。

以上のとおり、受付順番制ではネット予約率が高くないと来院タイミングの分散が起こりません。よってネット予約率の高いクリニックでは十分な効果が得られますが、あまり低いと一部の患者さんにしかメリットがない状態になってしまいます。一方、予約制であればそれ自体に来院タイミングが分散する機能がありますので、ネット予約率は関係ないということになります。

では、ネット予約率が高くなるのはどんなクリニックでしょうか?

最も利用率が高くなるのは、小児科です。「ネット予約率100%のクリニック」でもご紹介したとおり、小児科では1日のすべての患者さんがネット予約ということすらあり得ます。これであれば、受付順番制にして来院タイミングを分散させれば、院内待ち時間の問題はかなり解消するはずです。

次にネット予約率が高くなるのは婦人科、皮膚科、眼科、心療内科、精神科、小児科としても利用される内科などです。あとは、高齢者比率が高まってくる耳鼻咽喉科、一般内科というところです。

当然、ネット予約率の高低の前に、それぞれの診療科目に適した受付方法がある場合もありますし、先生の運営ポリシーというのもあると思います。しかし一般論としては、ネット予約比率が高い科目・エリアであれば受付順番制でも十分に来院タイミングの分散が起こり、院内待ち時間が極端に長くなることを防ぐことができます。こうすれば、予約制をとることによって受付スタッフの負荷を増やさなくてすみます。

一方で、ネット予約率が低くなりがちな科目・エリアで受付順番制をとった場合、ネットからの順番待ち予約があまり入らず、けっきょく患者さんは今までどおり来院して待つことになってしまいます。この場合はやはり予約制にして、強制的に来院タイミングを分散するしかありません。そして、一部の患者さんだけでもネット予約を利用してもらって、受付スタッフの負担を軽減するというのが予約システムの活用方法になります。

以上、クリニックの受付方法の選択の際には、ネット予約率が高くなるかどうかで選ぶという考え方についてまとめてみました。受付方法の検討の際の参考になればと思います。

それではまた、次回のエントリーで。
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