待ち時間と診療予約システム」カテゴリーアーカイブ

待ち時間と診療予約システムについて

もうすぐ診察お知らせメール

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今回は、診療予約システムの便利な機能「もうすぐ診察お知らせメール」について書いてみたいと思います。

「もうすぐ診察お知らせメール」とは、診察時間が近づいていることを患者さんにメールでお知らせする機能のことです。すべての診療予約システムがこの機能を持っているわけではありませんが、これがあると患者さんから本当に喜ばれます。

「待ち時間はモバイル表示の時代へ」でも書いたとおり、患者さんは院内待ち時間を減らし、待ち時間を自宅や外で過ごしたいと考えています。また、できれば診察の直前になってクリニックに入る(戻る)ことを望んでいます。そして、この患者さんのちょっと都合のいいニーズを満たすのが「もうすぐ診察お知らせメール」なのです。

もうすぐ診察お知らせメールの配信は、以下の3つの条件が整うことで可能になります。

1.各患者さんの「診察開始予定時刻」をシステムが計算していること
2.患者さんがメールアドレスをシステムに登録していること
3.診察開始予定時刻の〇分前に、メール送信される仕組みがあること

よって、診察券番号だけ入れて予約・順番待ちをするようなシステムの場合、患者さんのメールアドレスは登録しませんので、当然メールは送られません。このような仕組みのシステムには、元々の開発コンセプトからして「もうすぐ診察お知らせメール」の発想自体が無いということになります。やるとすれば、患者さんに毎回メールアドレスを入力してもらうという手間のかかる仕組みで実現するほかありません。

また、1.の診察開始予定時刻の計算も注意が必要です。診察開始予定時刻というのは「現在時刻+待ち時間」のことですので、言い換えると「待ち時間」の計算がリアルタイムでされているかどうかとういことです。診療予約システムにおける待ち時間については、「待ち時間表示の罠」というエントリーに記載したとおり、計算方法がどうなっているかに注意する必要があります。これがざっくりしたものだと「もうすぐ診察お知らせメール」の配信タイミングの精度も下がり、「機能」としては存在しても「使える機能」として患者さんに喜んでもらえない可能性があります。

「もうすぐ診察お知らせメール」は、患者さんができれば何とかしたいと思っている「診療待ち時間の有効活用」を可能にする仕組みです。もし診療予約システムをご検討されるのであれば、この機能のある予約システムを選ばれることをおすすめします。そして、単に機能があるだけでなく、患者さんに喜んで使っていただける「使える機能」として設計されているか確認してみてください。一見同じに見えるものでも、実際にご利用される患者さんには違いが分かってしまい、システム導入の価値が変わってしまうかもしれません。

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キーワード: メール配信、メールシステム、順番お知らせ、メールお知らせ、可変、メアド、メルアド、電話、CTI、診療前、診察前

待ち時間表示の罠

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今回は、診療予約システムにおける待ち時間表示の注意点について書いてみたいと思います。

診療予約システムには、患者さまが待ち時間を知ることができる機能があります。もし、診療予約システムの導入目的の1つが「待ち時間の見える化」である場合は、この機能についてよく吟味する必要があるでしょう。よく調べてみると診療予約システムの中には、「待ち順」は表示できても「待ち時間」は表示できないものもあり、また「全体の待ち時間」はわかっても「自分の待ち時間」は各自それぞれが計算しないと直接わからないものもあるのです。

患者さんが本当に知りたいこと」でも書いたように、患者さんは「待ち時間」が知りたいのであって「順番」が知りたいわけではありません。また、「全体」で60分待ちだとわかっても「自分」が何分待ちかわからなければ、自分で計算しなくてはなりません。何も知らされないよりは ましかもしれませんが、これでは患者さんの本当のニーズを満たすことはできないのです。もし患者さんの待ち時間の負担を和らげる施策として、診療予約システムの導入を考えるのであれば患者さん個々人が、好きな時に、自分の待ち時間がわかるシステムを選んでいただきたいと思います。

しかし今回は、この前提に立ってなお、診療予約システムを選ぶ際に気を付けるべき点についてご説明したいと思います。それは、その「待ち時間」は何を基準に計算しているのかという問題です。待ち時間は、並んでいる人の診療時間の総和であらわされますが、では並んでいる人の診療時間はシステムではどのように計算されるのでしょうか?

診療時間の計算方法には2つのパターンがあり、1つは「1名あたり〇分」と診察時間を決めてしまうもの、もう1つは「この診療メニューは〇分」と診療内容毎に個別に決められるものです。例として、「診察」より時間のかかる「新患」はどのように計算されるかを表したのが下の図になります。

診療予約システムの待ち時間計算方法の違い
▲新患のほうが時間が多くかかる場合の違い

お気づきのように、前者の仕組みだとざっくりとした待ち時間の計算しかできず、診療内容によって時間に大きな違いがある場合はまともな計算ができません。5分かかる診療メニューと10分かかる診療メニューが元々混在する場合は、この方法で待ち時間を計算するのは無理があります。

もちろん、診察が長引いたりすることによる誤差はいずれのパターンでも発生します。しかし元々かかる時間が違う診療内容を、同じ時間として計算するのとはわけが違います。このように、診療予約システムで待ち時間を見える化し患者さんに喜んで使っていただくには、待ち時間を計算する仕組みにも注意しなくてはなりません。一見同じに見える機能をもったシステムでも、それがしっかりユーザー目線で考えてあるかどうかで、価値が全く違ったものになってしまうのです。

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キーワード: 待ち時間,順番,待合室,ディスプレイ,テレビ,院内パネル,イライラ,解消,待ち時間対策,お知らせ

クリニックの予約制には2種類ある

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今回は、クリニックの2種類の「予約制」についてです。

皆さんは「予約制」のクリニックといっても2種類あることにお気づきでしょうか?普段はあまり意識しないかもしれませんが、実は「時間予約」と「時間予約」という2つのパターンがあるのです。

前者の「時間予約」というのは皆さんが一般的に利用している仕組みで、時間を指定して予約すればその時間からサービスを受けられる約束を得られるということになります。15:00から美容室を予約する、18:00からレストランを予約するといったサービス業全般でいわゆる「予約制」として定着しています。

後者の「時間帯予約」も同様に時間を指定して予約を入れることができますが、その時間に必ずサービスが提供されるわけではないところが違います。例えば9:00に予約した場合でも、同じ時間に10名予約していれば、順番は受付順に決まるのです。そのため最後尾だと10:00前にサービス開始になることもあります。このように「時間帯予約」の場合、9:00開始の予約ではなく9:00台に開始の予約を取っているということになるのです。見方を変えると、9:00台に予約をして、予約をしている患者さんの中で順番待ちしているとも言えます。

患者さんから見ると、前者の「時間予約制」のほうが時間がはっきりしていて待ち時間もないため便利なはずです。一方クリニック側から見ると、できるだけたくさんの患者さんを診るために予約枠のロスを無くしたい、患者1名あたりの診察時間のブレが大きいなどの理由により、「時間予約制」をとることは難しいことが多いのが現実です。そうかといって「順番待ち制(受付順)」をとってしまうと患者さんの院内待ち時間が長くなってしまうことが予想されるため、多くのクリニックが予約制と順番待ちの両方の利点を活かせる「時間帯予約制」をとっているのです。

さらに「時間帯予約制」には次のようなメリットもあります。それは患者さんがその仕組みに慣れてくると、自然と院内待ち時間を最適化する行動を取りはじめるということです。先の例でいうと、9:00台に10名予約がある場合、「8:55に行けば1番に診てもらえるかもしれない」と考える人と「9:00に行っても9:50ぐらいになるかもしれないから、はじめから9:50に行こう」と考える人が一定数現れてくるのです。これらの人の院内待ち時間は短くなるのと同時に、患者さんが前後に分散したために間の患者さんの待ち時間も短縮する可能性もあります。患者さんの総待ち時間が一番増えるのは同じ時刻に受付が集中した場合ですので、患者さんも何となくそれに気づいてきて、「せっかち派」「ちょっと遅れる派」「のんびり派」に分かれてくるのです。このような状態になると、患者さんは予約が取れると同時に院内待ち時間も比較的短くなるので、便利なクリニックと感じてもらえると思います。

「診療予約2013」は、「時間予約制」でも「時間帯予約制」も運用できます。念のため、自分のクリニックがどちらの予約制なのか意識したうえで、診療予約システムを選んでみてください。

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■ 時間帯予約制の詳細はこちらのスライドで!

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キーワード: 完全予約制,予約優先,診療所,病院,待ち時間,医院

クリニックの待合室と駐車場問題

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今回は、クリニックの待合室と駐車場のキャパシティと診療予約システムについてです。

患者さまに待っていただく待合室や駐車場のキャパシティは、患者さんの利便性を考えるうえで意外に重要なポイントです。もちろん、ある程度余裕のあるつくりにするのが普通ですが、来院数の時間帯によるばらつきや偶然の重なりで、キャパシティが足りなくなることはよくあることです。

待合室がいっぱいだと来院しようとした患者さんが引き返してしまう可能性が高まるだけでなく、待っている患者さんをより高いストレスや院内感染リスクにさらすことになります。また、駐車場がいっぱいだと来院する前からストレスです。患者さんもしょうがないとわかっていても、イライラするものはイライラしてしまいます。

この状況をどうすれば改善することができるでしょうか?

普通に考えると「予約制」にすることで混み具合を平準化できるはずなので、「順番待ち制」ではなく「予約制」にするという方法が考えられます。確かに、待合室や駐車場といったリソースのキャパシティが少ない場合は、よい打ち手であるように思えます。そしてもしかしたら、多くの方は「これしか方法がない。」と思われるかもしれません。

しかし、診療予約システムを導入すると、この普通の考えが唯一の正解でないことに気づきます。すなわち、診療予約システムを入れるなら、順番待ちの方がリソースを平準化して利用してもらえるかもしれないということです。

順番待ちの診療予約システムの機能には、「オンラインで順番待ち」ができ、「患者さんが各自の診察開始予定時刻」を確認できるうえに、「〇分前になったらメールで知らせてくれる」というものがありあす。もし、この機能をほとんどの患者さんが利用してくれるなら次のようなことが起こります。すなわち、患者さんは自分の待ち順が近づくまで、クリニックに来ないという状況です。こうなると、院内にいる患者さんの数が理論上一定になります。まさに平準化です。

さらに順番待ち診療予約システムのすごいところは、診察に遅れが出てもこの平準化の仕組みは機能し続けるということです。この点を「予約制」との比較で確認してみましょう。

予約制でも、各時間帯の患者さんの数が一定になるので、同様に平準化するように思えますが、もし診察に遅れがでたらどうなるでしょうか?予約時間は決まっていますので、診察が遅れていても患者さんはクリニックに来てしまいます。残念ながら予約制の場合、診察に遅れが出ると平準化の機能が失われてしまうのです。

診療予約システムを導入するなら、予約制よりも順番待ち制のほうが「平準化」に効果があるかもしれないという見方は、一般的にはあまり言われていないかもしれません。しかし、患者さんの多くが診療予約システムを利用してくれる「小児科」や「婦人科」、あるいは都心のビル診療所などでは、もしかしたら「診療予約システム×順番待ち制」のほうがうまく平準化することができるかもしれません。また、診察が遅れがちな診療科目のクリニックであれば、予約制よりも順番待ち制で予約システムを活用するほうが、そのメリットを多く享受できるかもしれません。

もし、待合室や駐車場のキャパシティの問題で悩んでいる場合は、上記のような運用を目指してみるのもよい方法かもしれませんね。

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キーワード: 待ち時間,溢れる,混雑,いっぱい,解消,解決,課題,問題,比較,コンサル,順番予約

患者さんが本当に知りたいこと

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お世話になっている税理士の先生が、先日こんなことを言っていました。

「通っているクリニックが診療予約システムを入れたんだけど、かえって面倒で結局ふつうに並ぶようになっちゃいましたよー」。詳しく聞いてみると、どうやら順番のお知らせ方法に問題があったようです。

そのクリニックが導入した診療予約システムは、こんなものでした。

1. 患者さんが電話をすると、自動応答メッセージに従い順番待ちの予約ができる。
2. 順番が近づくと、「あと5人であなたの順番です。」というお知らせの電話がかかってくる。

クリニックに行かずとも順番待ちができ、院内での待ち時間が減るので便利だと思って早速使ってみたそうです。

いざ順番待ちの予約をしてみると、ひとつ気になることがありました。それは「あと5人になるまでに、何分ぐらいかかるんだろう?」ということです。患者さんにとっては待ち時間が10分なのか30分なのかは、その間にできることが変わるという意味でも重要な情報です。5人になったらお知らせが来るのはいいのですが、それがいつ来るか分からないのでは待っている間の予定が立てられません。

そうです、患者さんが本当に知りたいのは「待ち順〇番目」ではなく、「自分の順番まであと〇分ぐらい」という「時間」なのです。これがわかると患者さんは安心して家で用事を済ませたり、近くのコンビニで立ち読みをしたりといった予定を立てることができます。患者さんが望んでいるのは「待ち時間を少しでも有意義にしてくれる仕組み」だとも言えます。

>> 順番待ち診療予約システムの肝になる2つの機能

その税理士さんは、予約したものの「いつ電話がかかってくるか目安がわからず、ソワソワしてしてしまって落ち着かないので、結局クリニックに直接並ぶようになった。」とのこと。電話自動応答での予約も少し面倒で「行ったほうが早い。」と思ったことも予約システムを使わなくなった原因の1つのようです。

このシステムを導入されたクリニックの先生も、「電話で予約できれば、老若男女だれでも使えるから」との思いで導入をされたのだと思いますが、患者さんは「本当に便利なもの」でないと使ってくれません。上記のような、患者さんの目線を欠いたシステムでは、せっかく導入しても患者さんの利用率が低くなってしまい、もったいない結果になってしまいます。

患者さんの目線を大事にしてシステムをつくるとすれば、
1. 順番待ちの予約をした時点で待ち時間がわかること
2. その待ち時間が、診察の進行状況によってリアルタイムで変わること
3. 〇分前になったらお知らせがくること
という3点セットが必要になると思います。これらを揃えることのできないシステムは「便利そうに見えて結局使えない。」となりがちですので、診療予約システムをご検討の際は十分考慮されることをお勧めします。ネット予約のできる診療予約システムであれば、通常この3点セットが使えます。

ちなみにこの税理士さんは、60代の男性です。いわく「30分だろうが60分だろうが、だいたいの待ち時間さえわかれば、時間つぶしたりして待ってるんですよ。それが分からないから、直接行って受付スタッフに聞いちゃうんですよねー。ははははは。」とのことでした。残念ながら、これではシステムの意味がないですね。

「待ち時間を短くする取り組み」ももちろん重要ですが、それ以上に「何分待つのかを知ることができる仕組み」を患者さんは求めているのだと思います。

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