待ち時間と診療予約システム」カテゴリーアーカイブ

待ち時間と診療予約システムについて

目指すのは適度に混んでる待合室

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突然ですが、ちょっとイメージしていただきたいことがあります。それは、全く誰も待っていない待合室です。患者さんがここに入れば、すぐ診察してもらえるでしょう。でも、もしあなたが患者だとしたら、ちょっと不安だなと思わないでしょうか?

一方で、患者さんで溢れかえっていて椅子が全部埋まっている待合室があったとします。ここに入れば立って待つのか、また、後で座れたとしてもいつ診察してもらえるのか。もしあなたが患者だとしたら、ちょっと不安だなと思わないでしょうか。

そう考えてみると、患者さんにとって理想的なのは「適度に混んでる待合室」ということになります。もしかしたら、病院・クリニックの目線からしても理想なのは、「適度に混んでる待合室」かもしれません。しかしそうだとしても、都合よく「適度に混ませる」ことなんてできないだろう、というのが常識的な考え方ではないでしょうか。

しかし、こう考えると、もしかしたら可能だと思われるかもしれません。

待合室の10個の椅子に、会計待ちが2名、診察待ちが3名座っています。実は、オンラインで5名が待っていますが、その人たちはそれぞれ、診察予定時刻の10分前まで近所や自宅で時間を調整しています。1名診察が終わるごとに、メールが届き「あ、そろそろ自分の順番だ」と次の患者さんがクリニックに入ってきます。これは受付順番制のクリニックで診療予約システムを利用した場合に実現できることです。まさに「適度に混んでいる」、しかも「一定に混んでいる。」状態です。

ここに新しい患者さんが入ってきた場合、実は8人待ちなので、ネットで予約をしている人達が後から入ってきて、順番を抜かされたように感じてしまいます。この点は、受付時に全部で8人待っている旨伝え、約30分ぐらいかかるなどと説明する必要があります。患者さんの症状にもよりますが、それであれば「外で待とう」となるか「座って待とう」となるか、「30分待つなら別を探す」となるかはわかりません。ただ、「入る前に諦める」ということは無くなるでしょう。

この状態を常に維持することは当然できませんが、診療予約システムを利用することによって「適度に混んでる待合室」を目指すことは、それほど突飛な考えだとは思いません。適度に混んでいる待合室のいいところは以下の7つにまとめられます。

<適度に混んでいる待合室の7つのメリット>
1. 飛び込み患者があきらめないで入ってきてくれる
2. 待合室の混雑が緩和され、待っている人のストレスが緩和される
3. 院内待ち時間が減る(自宅や、近所で直前まで時間を調整できる)
4. 院内感染リスクが下がる(待合室の滞在時間が減るため)
5. 駐車場などがいっぱいになる可能性が減る
6. 待ち時間に対するクレームが減る(院内待ち時間が減るため)
7. 受付スタッフの負担が減る(来院処理業務の平準化、時間確認やクレームの減少)

このように、院長にとっても、スタッフにとっても、患者にとっても嬉しいことしかありません。あとは実現できるかどうかだけです。

なにも完璧な「適度に混んでる状態」をつくる必要はありませんし、実際、それは難しいでしょう。しかし少しでも理想に近い状態を目指すことが院長先生、スタッフ、患者さんのメリットになるとしたら…。あなたも診療予約システムを導入して「適度に混んでる待合室」を目指してみませんか?

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キーワード: 待合室、待ち時間、混雑、短縮、順番待ち、システム、診療予約システム,椅子,イス,並び方

悔しいけれど予約システムだけでは解決できない問題

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今回は、診療予約システムを導入する際に注意すべき点について書いてみたいと思います。

診療予約システムを検討する理由の多くは「待ち時間の問題を解決したい」というものです。確かに診療予約システムには、この問題を解決できる機能があります。しかし、単に診療予約システムを導入するだけでは、待ち時間の問題を全く解決できないことがあります。それはなぜでしょうか?

一言でいうと、それは元々の受付の運用方法に無理があるからです。

典型的な例としては、いわゆる「予約優先制」の運用が挙げられます。この予約優先制で運用していると必ず起こる問題があるのですが、実はその問題はシステムを導入するだけでは解決できません。何故なら、問題の原因はシステムの有無でなく、予約優先制の運用方法そのものに内在しているからです。

逆に言うと診療予約システムを導入しなくても、運用を変えることによって根本的な問題を解決できます。本当は診療予約システムを導入していただきたいのですが、実際は紙の予約表を使っていても同じように問題の解決はできてしまいます。本当に「待ち時間の問題を解決したい」と思っているのであれば、システムの導入だけでなく、そもそもの運用にも目を向ける必要があるということです。

一方で、このケースにおいても診療予約システムを導入するメリットはあります。それは、新しい運用に変える際に大きなサポートツールになるということです。例えば、ネット予約を導入することで、受付スタッフの負荷を増やさずに予約の比率を上げることができます。あるいは、新しい運用に必要となる順番の並び替え(予約表上の順番と受付順番)をシステムが自動で行ってくれることも、運用変更のアシストになります。もちろん紙の予約管理表でも運用変更は行えますが、システム化したほうが圧倒的に効率がよくスムーズに運用変更ができるというわけです。

以上見てきたように、本当に解決すべきは「患者さんの長い待ち時間」であって、それを生む原因が運用方法そのものにある限り、単にシステムを導入しても解決しません。また、無理のある運用に合わせてシステムをカスタマイズしても、無理な運用がスムーズになるだけで、根本的な解決になりません。当然ですが、運用方法に潜む問題発生の本当の理由をつきとめ、それを取り除くことが必要なのです。

開業医の皆さまで「今までうまくいっていた方法が、何故かうまくいかなくなってきた。」「患者さんの待ち時間を何とかしたいが、システムを入れるだけで本当に解決するのか?」といった問題を抱えている場合は、是非当社までご相談ください。(お問合せフォームはこちら)

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キーワード: 導入目的,目標達成,システム化,課題,本当の原因,本当の理由,根本的

関西エリア独特?電話で順番待ちサービス。

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最近、関西方面のお客様とお話していて気付いたことを書いてみたいと思います。

実は私も兵庫県出身なので、関西方面のお客様とお話しするととても親しみを感じてしまいます。特に先生方のように落ち着いた話し方をすると、関西弁はとてもやわらかくて温かい言葉だなと最近感じるようになりました。

さて、先生方とお話しして気づいたことというのは、あまり関東や他のエリアでは見ない「電話で順番待ち」という受付方法についてです。

電話で順番待ちというは、受付順番制を採っているクリニックにおいて、電話で順番を予約できる運用のことです。今はこれと同じことをネット予約が行ってくれるのですが、まさにその先駆け?ともいえる方法です。そして、この運用は首都圏はもちろん、他の地方でもあまりお目にかかることはありません。

ここからは私見ですが、関西の方、特に大阪の方は待ったりするのが苦手な方が多いイメージがあります。実際、大阪の方言で「いらち」という言葉がありますが、これは「せっかち」「気が短い」という意味で大阪人の一つの気質を表した言葉ではないかと思います。

そんな大阪の方には「順番待ちしてじっと待ってるのが嫌」という人が多く、慣習的に「順番待ちやけど、電話してくれたら順番取っときます」という先進的な?運用が多くなったのではないかと思います。

しかも、診療予約システムをご利用され、ネット順番待ちができるようになっても、この「電話で順番取り」の運用はそのままにされているクリニックも多いです。患者さんにとっては単純に来院して並ぶだけでなく、電話で順番待ちやネット順番待ちという選択肢が増えるので、とても便利だろうなと思います。

一方でクリニック側から見ると、電話で順番待ちによって電話応対業務が増えるため、それを導入することは、患者さんへのサービス精神の表れと捉えることもできます。そう考えると、関西人の「いらち」な気質と、大阪商人の「サービス精神」が合わさって生まれた、このエリア独特の受付方法なのかなと思ってしまいます。他のエリアでも行っているのかご存知の方がいらっしゃいましたら、おしえてください。私のただの思い込みかもしれませんので。

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時間帯予約制をとると起こるおもしろい現象

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今回は、時間帯予約制をとっているクリニックで起こる、あるおもしろい現象についてです。

時間帯予約制とは、例えば「9:00~9:30に開始の予約」のように時間に幅をもって取っていただく予約制のことです。レストランや美容室などの一般的な予約制で9:00の予約といえば、9:00からサービスを受けられるはずですが、時間帯予約制の「9:00の予約」は複数の患者さんが取っており、その中で受付順に案内されていく仕組みになっています。よって、9:00に来院した際に順番が3番目であれば、当然9:00には診察してもらうことができません。

一般的な予約制しか経験していない患者さんにとっては、「9:00の予約って言われたから来たのに、9:25開始だった」ということで不満を感じることもあり得ます。そのため、時間帯予約制を浸透させるにはスタッフによる説明などの一定の努力が必要になります。すなわち、「当院は30分単位の時間帯予約制です。例えば、9:00の予約ではなく、9:00~9:30の時間帯の予約ということになります。」のような説明が必要になるのです。一方で、多くの患者さんが病院・クリニックでは多少待つことは前提としているので、初診時に説明すれば予約の度に説明する必要はないでしょう。

そして、この時間帯予約制の運用を続けていると、次のような面白い現象が起こり始めます。

それは、9:00の予約の患者さんが、8:50~9:20ぐらいの間に分散して来院するようになるという現象です。

皆さん9:00の予約なので、本来であれば9:00前後にいらっしゃるはずなのですが、「早く行って、1番に診てもらおう」という患者さんと、「あえて遅れて、待たずにすぐに診てもらおう」という患者さん、そして特に何も考えずに普通に来院される患者さんに徐々に分かれてくるのです。

これは、患者さんが自らの判断で「院内待ち時間を最短にする行動」を取りはじめるということではないかと私は思います。

「待ち時間の原因は患者さんの数よりも偏りにあり」のエントリーでも紹介したとおり、院内待ち時間が長くなる原因は、患者さんが同じ時間に集中してしまうことです。例えば、9:00~9:30の予約を取った患者さんが、全員9:00に来院してしまうとのべ待ち時間が一番長くなります。逆に来院時刻が分散するとそれぞれの院内待ち時間が短縮されます。このような経験と試行錯誤によって、次第に患者さんが「早い人」「普通の人」「遅い人」に分かれていき、結果的に分散して来院するようになると考えられます。

当然、時期や時間帯によって、混み具合などは変わります。しかし、患者さんがそれぞれ最適と考える来院時間を選択し、その結果うまく来院時間が分散されてくると、それぞれがその行動を変える理由がなくなってきます。例えば、「あえて遅く来院派」の患者さんが、いつもより早く来院すると偏りが生まれ、自分の待ち時間が長くなる可能性が高いからです。このようにして次第に、分散された状態が定着するようになるのではないでしょうか。

この状態になった時に面白いのは、まず「全体の院内待ち時間が最短になること」であり、もう1つは「予約制のはずなのに、まるで順番待ち制と同じに見える」いうことです。この点については、また別の機会にまとめてみたいと思います。

それではまた、次回のエントリーで。
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■ 時間帯予約制についての詳細はこちらのスライドで!

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関連記事: 予約優先制って何? 
関連記事: 待ち時間の原因は患者さんの数より偏りにあり

参考記事: 待ち時間対策としての時間帯予約システム

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クリニックの受付運用に潜むボトルネック

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今回は、眼科や整形外科などで発生する、「検査の後に診察を行う」場合の運用についてです。実は、診療予約システムを使うか使わざるかにかかわらず運用の注意点がありますので、ご紹介したいと思います。

わかりやすいように、以下のような単純化された運用ケースで見てみましょう。

・どの患者さんも必ず検査のあとに、診察を行う。
・所要時間は検査3分、診察5分とする。
・検査は前の人が終わり次第、ご案内して行う。

さて、患者さんが途切れなくいらっしゃったと仮定して、60分間の状況を想像してみてください。何か問題が起こるでしょうか?

60分後には20人の方が検査を終えているはずですが、診察が終わっているのは11名だけです。では後の9人はどうなっているのでしょうか?

12人目の人は、33分経過時点で検査を開始し、36分に検査終了して診察を待っている状態です。ということは24分間待っているということになります。典型的なシチュエーションで言うと、「中待合で待たされている」状態です。

さらに少し考えてみましょう。もしかしたら12人目の患者さんが来院したのは、30分経過時点かもしれません。要するに、来院してすぐに検査に入れたのでラッキーと思ったら、中待合で24分も待ったということもあり得るのです。患者さんのモヤモヤした不満が伝わってきそうな状況です。

しかし、「待合室で待つのも、中待合室で待つのも同じだから、問題ないのではないか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。これはおっしゃる通りですが、診療予約システムの運用が絡んでくると、その限りではないので注意が必要なのです。

というのは、このまま運用してしまうと、「もうすぐ診察お知らせメール」が送られるタイミングが適切でなくなってしまい、結局院内待ち時間が長くなってしまうからです。ここは細かいので詳細は割愛しますが、「中待合」で待つ時間を勘案してメールが送られればいいのですが、システム上は「待合室」の待ち時間しかわからないため、適切なタイミングより早くメールが送信されてしまいます。そのため、患者さんが早く来院してしまい、結果的に院内待ち時間の短縮が図れなくなくなってしまうのです。

では、どうしたらこの状況を回避できるのでしょうか。

実はこれはTOC(制約理論)の考え方の基本となるもので、「ボトルネック(ここでは診察)の前工程に、ボトルネックの処理量を超える処理をさせてしまうと、ボトルネックの前に待ちが発生する状態」そのものです。

受付運用に潜むボトルネック

この場合の解決策は、ボトルネックの前工程にボトルネックの処理量と同じ量の処理をさせることです。このケースでいうと、キャパシティとしては検査は3分に1名できますが、あえてそ5分に1名しか行わないようにするのです。一見非効率に思えますが、結局1日に診られる患者さんの数は変わりません。なぜなら全体の処理量はボトルネックの処理量によって制約されてしまうからです。これにより、中待合の渋滞が解消し、待合室での待ち時間だけを頼りにして、正しく予約システムのお知らせメールを稼働させることができるのです。

実際の運用のイメージとしては、診察が終わる度に新しく検査に入ってもらうというかたちが理想的だと思います。

当然実際の運用では、検査の時間も診察の時間もぶれますので、中待合にバッファをもたせる意味で1~2名の患者さんに待っていただくのがよいでしょう。しかし、中待合の待ち時間を最適化するためには、検査は次々に行うのではなく、ボトルネックの処理量を超えないように行う必要があるのです。

それではまた、次回のエントリーで。
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追記: 実際にはこの状況を運用で回避する方法がもう1つありますが、長くなってしまうのでまた機会があれば書いてみたいと思います。

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関連記事: 眼科で時間帯予約制をとると効率が下がる?
関連記事: 「待ち時間」と「院内待ち時間」の分離 
関連記事: クリニックの待合室と駐車場問題 

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