クリニックの成長と受付運用の変化

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今回は、クリニックの成長段階と受付運用の変化についてまとめてみたいと思います。

多くの先生が開業時に選ぶのは、受付順番制もしくはそれに加え一部予約を受付ける予約優先制の運用です。これは病院では受付順番制や予約優先制で運用が主流であり、勤務医時代と運用を変えなくてもいいという理由であることが多いようです。

受付順番制というのは、受付の業務もシンプルなため運用が容易だというメリットがあります。また多くの病院・クリニックで利用されている運用のため、患者さんにも受け入れられやすい仕組みでもあります。

受付順番制に一部予約制を導入するのも同様で、次回予約などに限って予約を受付けることによって大きな手間を増やさずに運用することができます。診療科目や診療内容によっては、予約を取ってスケジュールを確定しないと対応できない場合もありますので、そういったクリニックではこの予約優先制の運用が多く用いられています。また、もともと受付順番制だったものの、試行錯誤のなかで一部予約制を導入するというパターンもあります。このように、受付順番制に一部予約制をとる予約優先制というのも開業時およびその後数年の間に多くとられる運用スタイルということになります。

そして、これらの運用は開業当初など比較的患者が少ない時期には何の問題もなく運用が可能です。また、繁忙期以外の患者さんが落ち着いている時期も同様にうまく機能します。

ところがクリニックが成長したり繁忙期を迎え患者さんの数が増えてくると、これらの運用で問題が発生しはじめます。それは待ち時間が異常に長くなりクレームが発生してしまうという問題です。

単純な受付順番制であれば、患者さんの絶対数が増えることはもちろん、来院タイミングの偏りによってもこの問題が発生します。来院タイミングの偏りと待ち時間の関係に関しては、こちらのエントリーにまとめましたのでご一読ください。

また、予約優先制の運用でも同じようなクレームが発生しますが、こちらの方が更に厄介なことになります。この問題発生のメカニズムは、次のスライドショーで解説していますので是非ご確認ください。

■ 時間帯予約制の詳細はこちらのスライドでチェック!

待ち時間が異常に長くなりクレームが発生しだした場合、問題を解決するためにはクリニックの受付方法を変える必要があります。つまり、クリニックの成長に応じて、受付方法も1つステージを上げる必要があるのです。

その方法の1つは、受付順番制のままネット予約を導入すること。もう1つは、受付順番制や予約優先制をやめ、時間帯予約制にすることです。

前者の受付順番制でネット予約を導入すると、院内待ち時間を大幅に短縮することができます。患者さんは自宅から順番待ち予約を行い、自分の診察予定時刻が近づくまで来院しなくてもよくなります。この仕組みによって、待ち時間は1~30分程度におさまるようになります。クレームになるほど混雑するクリニックは、並んでみたら60~120分待ちというような状態ですので、ネット順番待ちで院内待ち時間は圧倒的に短くなります。

また、時間帯予約制とは予約優先制の根本的な問題を解決するための受付方法です。時間帯予約制には、院内待ち時間が極端に長くならないようにする仕組みがあり、クレームが起こりにくくなる仕掛けになっていますので、ご興味があれば次のエントリーでご確認ください。予約優先制をとる場合には予約システムが必要なわけではありませんが、ネット予約による受付スタッフの負荷低減、患者さんの利便性の向上といったメリットが生まれ、運用変更がよりスムーズになると思いますので是非ご検討ください。

>>知っている医師は始めている、時間帯予約制で待ち時間を減らす方法

以上、クリニックの成長段階と受付方法の変化についてまとめてみました。待ち時間の問題でクレームが発生するということは、クリニックが成長しステージが1段上がったことを意味します。受付運用もそれに合わせてステップアップさせれば、きっと患者さんの満足につながります。

それではまた、次回のエントリーで。
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高齢者にこそマイページ型の診療予約システムを

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今回は、患者さんが利用する予約システムについてです。

「ここが違う!マイページ型の診療予約システムの利点」でも書いたとおり、「診療予約2013」はマイページ型の診療予約システムです。マイページ型にはたくさんのメリットがある一方で、初回に簡単な登録が必要になるため、患者さんの利用率が下がってしまうのではないかと懸念されることがあります。特に、高齢者が多い内科や整形外科クリニックなどで、「初回登録ができなくて使えないのでは?」と言われることがあります。しかし、これはむしろ逆で、高齢者が多いほどマイページ型の予約システムのほうが便利だという点について書いてみたいと思います。

マイページ登録型の場合、以下の手順で予約を取ります。
1. マイページ登録(氏名、カルテ番号などを登録)
2. 予約を取得
3. 以降は、氏名やカルテ番号などを入力しなくても選択肢を選ぶだけで予約が取れます。

一方で、マイページ登録がないかわりに毎回氏名などを入力しなければならない「都度入力型」ともいうべき予約システムでは以下の手順で予約を取ります。
1. 初回予約(氏名、カルテ番号などを入力して予約)
2. 以降も毎回、氏名、カルテ番号などを入力して予約。

確かにマイページ型は初回登録時に1つのハードルがありますが、それを行えば以後、面倒な「氏名」「生年月日」「カルテ番号」「連絡先」などの入力は不要です。一方で、「都度入力型」では毎回それらの情報を入力する必要があります。

マイページ型の予約システムを高齢者が利用する場合、たとえば初回登録だけはお子さんなどにやっていただくという方法があります。こうすれば、2回目以降は面倒な入力がなくなるので、高齢者でも簡単に使えることになります。

一方「都度入力型」では、毎回入力が必要なので、そういった作業ができない方は毎回お子さんにやっていただかなくてはなりません。こうなるとそのうち利用されなくなってしまい、システム利用率が上がらない原因となってしまいます。

繰り返しになりますが、初回の登録をしてしまえば、後は誰でも使えるシステムと、毎回、同じ入力のハードルがあるシステムとどちらが高齢者に向いているでしょうか?すべて高齢者がやると考えずに、初回の登録だけはご家族やクリニックの方がフォローして登録して利用できるシステムのほうが、私は高齢者の多いクリニックに向いていると思います。もちろん、年齢層が低い方も同様に、毎回入力が面倒な仕組みより、1回登録しておけば次回から何の入力もなく予約できるシステムのほうが圧倒的に便利なはずです。

それではまた、次回のエントリーで。
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複数ドクター&受付順番制の待ち時間計算はどうなる?

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今回は、受付順番制をとられているクリニックで、複数ドクターがいる場合の運用と待ち時間計算についてです。

上記のようなケースの運用には2つのパターンがあり得ます。

1つ目は、複数いるドクターそれぞれに患者さんを並ばせるパターンです。例えば、3名ドクターがいれば、患者さんの列が3つできるということになります。

2つ目は、来院された患者さんをいったん一列に並べてしまい、診察の終わったドクターが順次診ていくというパターンです。

前者はドクターの指名が可能なパターンであり、後者は基本的にドクターの指名ができないパターンと言い換えることもできます。

これらの2つのパターンにおいて、診療予約システムを使った場合に、待ち時間の計算というのはどのように変わるでしょうか。とくに、ドクターによって診察スピードが違う場合は、うまくいくのでしょうか?

前者の場合は簡単です。それぞれのドクターが、それぞれの列の患者さんを診ればよいので、1名あたりにかかる時間を元に計算すれば何の問題もありません。「診療予約2013」では、ドクターごとに診察にかかる時間の設定が可能ですので、例えば、Aドクターは1名5分、Bドクターは1名7分というようにすることができます。また診療メニューや新患・再診などによっても分数を変えられますので、より正確な待ち時間計算が可能になっています。診療予約システムの中には、この分数を変えられないものがありますので、ドクターごとに診察速度が違う場合は、うまくいかないことがありますのでご注意ください。

では後者の場合はどうでしょうか。例えば下記のようなケースで考えてみましょう。

3診で
・Aドクターは1患者あたり3分
・Bドクターは1患者あたり5分
・Cドクターは1患者あたり6分

この場合、どのようにすればより正確に待ち時間の計算ができるでしょうか?

実はこれも、それほど複雑な話ではありません。要するにこの3人で1名患者を診察するのに平均何分かかるかを計算すればいいのです。わかりやすくするために、1時間あたりにこの3名の医師は、A=20名、B=12名、C=10名の診察が可能です。よって、1時間に42名の患者さんの診察ができるということになります。よって、1名の患者あたりに1.4分かかるということになります。

この計算結果をもとに、あとは1患者あたり1分もしくは2分という設定で行えば大丈夫です。設定を1分にすると、理論上の待ち時間よりも短く表示されますので、ネット予約の患者さんは少し早めに来院されることになります。その分待合室は混みやすくなりますが、これぐらいの差であれば大きな影響はないかもしれません。一方、設定を2分にすると理論上の待ち時間より長く表示されますので、ネット予約の患者さんの来院が遅くなる可能性が高まります。これらのどちらを採用するかさえ決めれば、仕組み上はまったく問題なく運用が可能です。

さらに面白いのは、日によって先生の組み合わせが変わる場合です。月曜はA先生とB先生、火曜はB先生とC先生、水曜はA先生とC先生、土曜はA先生とB先生とC先生などとなった場合はうまくいくでしょうか?

この場合、それぞれの日の組み合わせにより1名あたりにかかる時間が変わります。具体的には、1名あたり月曜は1.9分、火曜は2.7分、水曜は2.0分、土曜は1.4分となります。

このケースでは、平日が土曜と同じ設定では、計算がうまくいかないことは明白です。しかし、「診療予約2013」では、日によっても診療メニューの分数を変えることができますので、この問題もクリアできます。月曜と水曜は2分、火曜は3分と設定してあげれば万事OKということになります。

以上、見てきたように受付順番制で複数ドクターがいる場合の2つの運用パターンについて、診療予約システムの待ち時間計算がどうなるのかについて見てきました。待ち時間の問題を解決するためには、まず待ち時間を正確に測れる必要があります。このように「診療予約2013」は待ち時間をもっとも正確に計算できる診療予約システムの1つですので、ご安心ください。

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毎日予約がいっぱいだからネット予約は必要ない?

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今回は予約システムのご提案時にたまに出てくる「毎日予約がいっぱいだからネット予約は必要ない」という件について考えてみたいと思います。

私もはじめてこの言葉を聞いたとき、毎日いっぱいだったらネット予約を取る枠がないので、確かに意味がないなと思いました。私が聞いた先生は、2ヶ月先までほとんどいっぱいとのことでしたので、これでは予約システムを入れても、結局予約が取れないシステムになってしままうと思ったのです。

しかし、よく考えてみると私の考えは間違っていることに気づきました。

というのは、確かに本日時点での予約枠は2ヶ月先まで満杯かもしれません。しかし、逆に考えるとその枠は2ヶ月前にはすべて空いていたということになります。そして、2ヶ月の間かけてその枠に電話予約や次回予約が取られて、現在いっぱいになったはずなのです。

ということは、ネット予約を開放すれば、電話予約で受付ていたものがネット予約にかわるかもしれないということになります。そして、そうすれば予約受付業務の軽減や24時間ネット予約といったネット予約導入のメリットを得られるのです。

以上のように、現時点での予約表ではなく、時間の流れの中で予約表を見たときに、「毎日予約が常にいっぱい」ということはあり得ないのです。考えれば当たり前ですが、毎日いっぱいの予約表を見て、同じように考えている先生も案外多いのではないかと思います。

むしろ、予約がいっぱいのクリニックほど予約受付業務は多いのですから、それをネットに振り分けることがスタッフの負担や患者さんの利便性にとってよりプラスになりやすいとも言えます。もし、予約でいっぱいだからネット予約は意味がないとお考えの先生がいらっしゃいましたら、上記のように考えていただき、ネット予約の導入をぜひご検討ください。

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受付順番制と予約制のどちらがいいかはネット予約利用率で決める

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今回は、クリニックの受付方法の選択方法についてまとめてみたいと思います。

以前も書いたとおり、クリニックの受付運用を受付順番制にするか予約制にするかというのは、とても難しい問題です。クリニックにとって、どちらが最適な受付方法かというのはとても判断しにくいものです。というのは、この選択によって患者さんの待ち時間や利便性だけでなく、受付スタッフの業務負荷や待合室・駐車場といったクリニックのリソースまでが影響を受けるからです。

このように、最適な受付方法はそれぞれのクリニックの状況により異なるため、受付順番制と予約のどちらが優れているとは一概に言えません。しかし、こと「待ち時間の短縮」というテーマに関しては1つだけ言えることがあります。それは、受付方法を決定する際には「患者さんのネット予約率が高いかどうか」が重要なポイントになるということです。

「クリニックのボトルネックはどこにある?」でも書いたとおり、待ち時間の問題を根本的に解決するためには来院タイミングを分散させるしかありません。従って、診療予約システムを導入することによって、待ち時間を解消しようとするならば、次のAかBのいずれかの方法を採ることになります。

A. 受付順番制を採用し、できるだけたくさんの患者さんにネット予約を利用してもらう。これによって、来院タイミングが分散される。

B. 予約制はそれ自体が来院タイミングの分散になるので、待ち時間解消の観点からすると予約システムは補助的な役割に過ぎない(無くても良い)。ただしシステムを導入すれば、患者側には24時間予約というメリットがあり、クリニック側にはスタッフ負荷の軽減というメリットが生まれる。

以上のとおり、受付順番制ではネット予約率が高くないと来院タイミングの分散が起こりません。よってネット予約率の高いクリニックでは十分な効果が得られますが、あまり低いと一部の患者さんにしかメリットがない状態になってしまいます。一方、予約制であればそれ自体に来院タイミングが分散する機能がありますので、ネット予約率は関係ないということになります。

では、ネット予約率が高くなるのはどんなクリニックでしょうか?

最も利用率が高くなるのは、小児科です。「ネット予約率100%のクリニック」でもご紹介したとおり、小児科では1日のすべての患者さんがネット予約ということすらあり得ます。これであれば、受付順番制にして来院タイミングを分散させれば、院内待ち時間の問題はかなり解消するはずです。

次にネット予約率が高くなるのは婦人科、皮膚科、眼科、心療内科、精神科、小児科としても利用される内科などです。あとは、高齢者比率が高まってくる耳鼻咽喉科、一般内科というところです。

当然、ネット予約率の高低の前に、それぞれの診療科目に適した受付方法がある場合もありますし、先生の運営ポリシーというのもあると思います。しかし一般論としては、ネット予約比率が高い科目・エリアであれば受付順番制でも十分に来院タイミングの分散が起こり、院内待ち時間が極端に長くなることを防ぐことができます。こうすれば、予約制をとることによって受付スタッフの負荷を増やさなくてすみます。

一方で、ネット予約率が低くなりがちな科目・エリアで受付順番制をとった場合、ネットからの順番待ち予約があまり入らず、けっきょく患者さんは今までどおり来院して待つことになってしまいます。この場合はやはり予約制にして、強制的に来院タイミングを分散するしかありません。そして、一部の患者さんだけでもネット予約を利用してもらって、受付スタッフの負担を軽減するというのが予約システムの活用方法になります。

以上、クリニックの受付方法の選択の際には、ネット予約率が高くなるかどうかで選ぶという考え方についてまとめてみました。受付方法の検討の際の参考になればと思います。

それではまた、次回のエントリーで。
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